YSくまざわクリニック院長のブログ

とにかく受診したいと思うクリニックを目指して

症例1:統合失調症の患者さん

患者さん 65歳女性 夫と子供の4人暮らし

 

当院受診までの経過

約10年前に2人の子供の進学の費用に対する経済的な不安から

自殺願望や幻聴を認めるようになり精神科を受診。

統合失調症と診断された。以後3回の入院を繰り返した。

自宅では家事、炊事はできず、夫が献身的に介護した。目が離せない為、

夫は自分の時間が持てず、介護の疲労が重なっていった。

長期間薬を飲んでも改善する兆しがなかった。

2017年10月娘さんの勧めで当院初診。

 

症状

・上肢のふるえ(振戦)

・表情は乏しく無関心で、質問しても答えるのに少し時間を要した。

・幻聴

・物忘れが多く、一人で外出できない。炊事洗濯もできない状態。

 

検査

血液検査で軽度の甲状腺機能低下症を認めた。

 

治療

統合失調症に効果のあるビタミンB3(ナイアシン)を始め、ビタミンCや

 ミネラルを処方した。

甲状腺ホルモン剤を開始。

・食事は低糖質、高たんぱく食を指導した。

・YSメソッドによるハートケアカウンセリングを本人のペースに合わせて開始した。

・今まで処方されていた抗精神病薬はきちんと継続。

 

経過

・治療開始後症状は速やかに改善の兆しを見せた。

・表情が穏やかになり、笑顔も見られるようになった。

・また自分から話しかけてきたり、テレビをみて感想を言えるようになった。

・洗濯、掃除も一人でできるようになり、買い物も一人で行けるようになった。

・幻聴は半分に減った。

・上肢のふるえ(振戦)は薬の副作用であり、減量や中止はしていないが、軽減は

 している。(かかりつけの精神科医と連携し、抗精神病薬を減量してく予定。)

・できなかった料理は一人でほぼできるようになった。以前は材料が余っても無関心

 だったが、これは今度この料理に使おう。」と言うようになった。

・入浴も一人でできるようになった。洗髪は夫がサポート

 

ご主人の感想

・普通の状態がゼロ、最悪の精神状態が10とすると今は3くらいです。

・今まで10年間の精神科での治療は何だったのか?と思います。

・妻とテレビ見ながら世間話ができるのがうれしいです。