YSくまざわクリニック院長のブログ

とにかく受診したいと思うクリニックを目指して

症例2:うつ病の患者さん

症例2:うつ病の患者さん

58歳女性 (2017年11月17日初診)

 

義母の介護

娘さんの統合失調症

ご主人の大学進学に伴う経済的負担 が原因で

うつ病となり、抗うつ薬睡眠薬、胃腸薬を服用してきたが改善しないため受診。

 

  • 11月21日 初回カウンセリング

「ここ10年で家族にいろんなことが起こった。」と相談に来られた時は、表情も硬く、

緊張した様子。病気の義母の介護生活に始まり、自営業の夫が通信制の大学、大学院

まで進学したことで、自営の仕事に身が入らなくなり、予想以上に学費がかかったため

家計が苦しくなり、夫と不仲になった。

中学からのいじめをきっかけに娘は統合失調症になった。幻聴がひどく、引きこもりに

なってしまった。

色んな事が重なりそう、本人もうつになってしまった。

眠れない、気分が落ち込む、つらい・・・

 

  • 11月30日 2回目のカウンセリング

両親は早くに亡くなり、両親と過ごした時間よりも長く生きているので、

今さらわだかまりは消えないと思っていたが、2回目のカウンセリングで、

わだかまりは消え心が軽くなった。落ち込むことも少なくなり、霧が晴れたような

感覚。

過去の事が悪いことではなかったと気づけた。

家族は『活力が出てきた』と喜んでくれた。

表情がとても明るく、初診の時と明らかに違う。

 

  • 12月5日 3回目のカウンセリング

ご本人は両親への愛と感謝を言葉にすることができたことを驚き、

さらに心が軽くなった。こんなに短期間で症状が改善していく様子に、

ご本人も驚いている。

娘さんはもちろんカウンセリングは受けていないが、母がカウンセリングを

受けるようになってから精神状態がさらに安定し、英会話スクールに通い始めた。

  • 12月12日 4回目のカウンセリング

朝起きてからのゆううつ感がなくなった。

自分が変化することで、娘が変わってきた。

娘の妄想が減ってきた。

  • 12月19日 5回目のカウンセリング

何が起きても気持ちの切り替えができるようになった。

ワークは日々の生活に取り入れている。

表情や雰囲気が、受診するたびに変化している。

終始笑顔で、会話もはずむ。

  • 2月8日 7回目のカウンセリング

抗うつ剤、胃薬は飲んでいない。睡眠剤は、半錠のみ服用。

夫からは、

「おまえのおかげで自分も変化しているからありがたい!」と喜ばれる。

「今日は(カウンセリング)どうだった?」と聞いてくれる。

娘は、

英会話スクールも通い、さらに小説まで書き始めた。

「お母さん、文章の構成はどう?」」と相談してくれるようになった。

ご本人の家族に対する見方が変わることで過去の記憶が変わった。

そして家族に対して感謝の気持ちにあふれ、それが表情や言葉に自然に出るように

なった。そのため、直接カウンセリング受けていない夫、娘もいい方向に変化した。

以上の経過で2月14日カウンセリングは終了した。