カルシウムと骨粗鬆症について
「カルシウムを摂取することは健康に必要な事」とみなさん理解されていると
思います。
骨粗鬆症の患者さんにカルシウムの摂取をお勧めしていましたが、
骨が丈夫になったとか、骨粗鬆症の予防につながっていると実感したことは
一度もありませんでした。
そもそも、カルシウムの濃度は副甲状腺(上皮小体)という内分泌器官で調整されて
います。
このホルモンは、破骨細胞を活性化し骨芽細胞を抑制することによって、
骨吸収を促進し、その結果、骨からカルシウムとリン酸が血液中に放出されます。
そして腎臓でのカルシウムの再吸収を促進し、リン酸を尿中に排出します。
つまり、
リンの多い食事を摂ると、
リンの血中濃度が上昇し、これを尿中に排泄しようと
副甲状腺ホルモンの分泌が促進されます。
これにより骨からカルシウムが溶け出してしまうため、これが継続されると
骨密度が低下します。
結論は、
骨密度の低下の原因は、
「カルシウム不足」ではなく、「リンの過剰摂取」が問題の一つである。
重要なのは、
カルシウムを多く摂取することではなく、
骨からカルシウムが失われるのを防ぐことです。
もちろんそれだけではありません。
運動不足、
マグネシウム不足、
ビタミンD不足、
タンパク質摂取不足、
女性ホルモンの低下
もあげられます。