YSくまざわクリニック院長のブログ

とにかく受診したいと思うクリニックを目指して

カルシウムと骨粗鬆症について

 「カルシウムを摂取することは健康に必要な事」とみなさん理解されていると

思います。

骨粗鬆症の患者さんにカルシウムの摂取をお勧めしていましたが、

骨が丈夫になったとか、骨粗鬆症の予防につながっていると実感したことは

一度もありませんでした。

そもそも、カルシウムの濃度は副甲状腺上皮小体)という内分泌器官で調整されて

います。

副甲状腺から副甲状腺ホルモンが分泌されます。

このホルモンは、破骨細胞を活性化し骨芽細胞を抑制することによって、

骨吸収を促進し、その結果、骨からカルシウムとリン酸が血液中に放出されます。

そして腎臓でのカルシウムの再吸収を促進し、リン酸を尿中に排出します。

つまり、

リンの多い食事を摂ると、

リンの血中濃度が上昇し、これを尿中に排泄しようと

副甲状腺ホルモンの分泌が促進されます。

これにより骨からカルシウムが溶け出してしまうため、これが継続されると

骨密度が低下します。

結論は、

骨密度の低下の原因は、

「カルシウム不足」ではなく、「リンの過剰摂取」が問題の一つである。

重要なのは、

カルシウムを多く摂取することではなく、

骨からカルシウムが失われるのを防ぐことです。

もちろんそれだけではありません。

運動不足、

マグネシウム不足、

ビタミンD不足、

タンパク質摂取不足、

女性ホルモンの低下

もあげられます。